コミュニケーション支援ブログ

難病や重度障害者のコミュニケーション支援の情報を集めたブログです

MSA(多系統萎縮症)の方からの相談がありました。

MSA(多系統萎縮症)の方からの相談がありました。
スペックスイッチを付属のベルトで指に固定して親指で押していたが、震えが止まらずに押せなくなったと。
訪問してきました。ご家族からは震えがスイッチに反映してしまうこと。
以前、小さい四角いスイッチも試したがうまくいかなかったこと。
話を聞くと試したのはパシフィックサプライのトリガースイッチのようでした。
 ICT救助隊の指スイッチに交換してうまくいきました。機器はレッツチャットだったので、震え誤動作防止の設定をしました。
MSAなので1時間以上の連続操作は難しくなると思って、スイッチで文字選択できたところで帰りました。スイッチ操作の動画は撮り損ねました。
次の日に届いたメールが、
「傾斜のあるスイッチも良かったと思いますが、スキューバ―ダイビングのスーツを使用したバンドのフィット感がぴったりとして使い良いのだろうと思います。また、誤動作防止の設定もとても効いていると思います。こんな設定があることを初めて知りました。」
さらに次に届いたメールが、
「昨日、外出先から帰宅した私に、夫からこんなメッセージがありました。うまく入力操作できなくなっていたレッツ・チャットで、私へのコメントは、1年以上ぶりだと思います。こんな短い文でも、私にとっては、穏やかな夫らしさを感じることができてウルウルしました。」
1年以上ぶりの言葉がこれです。
コミュニケーションの奥深さを感じます。1年以上、文章の表出がなかった人が書いた文章です。おそらく受け手側は1年以上ぶりのメッセージはなにかもっと重要な意味あることをと思ってしまう。しかし発信者からは「おかえりなさい」なんです。僕がうまく言葉で表現できないですが、何かとても大切なことをこの患者さんから教えられた気がします。人と人との関わりで大切なこと、大切にしなければいけないこと、意思伝達、意思疎通の意味、コミュニケーションのあり方。まだまだ学ぶことが多いと思った訪問でした。
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